コミュニケーション能力や社会性に関連する脳の領域に関係する発達障がいの総称です。自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット症候群、小児期崩壊性障がい、特定不能の広汎性発達障がいを含みます。

自閉症

自閉症は、「言葉の発達の遅れ」「コミュニケーションの障がい」「対人関係・社会性の障がい」「パターン化した行動、こだわり」などの特徴をもつ障がいです。最近では、自閉症スペクトラムと呼ばれることもあります。

Aさんの場合

自閉症のAさんは、急に予定が変わったり、初めての場所に行ったりすると不安になり、動けなくなることがよくあります。そんなとき、周りの人が促すと、余計に不安が高まって突然大きな声を出してしまうことがあります。周りの人から、「どうしてそんなに不安になるのか分からないので、何をしてあげたらよいか分からない」と言われてしまいます。でも、よく知っている場所では、一生懸命、活動に取り組むことができます。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は広い意味での「自閉症」に含まれる一つのタイプで、「コミュニケーションの障がい」「対人関係・社会性の障がい」「パターン化した行動、興味・関心のかたより」があります。自閉症のように、幼児期に言葉の発達の遅れがないため、障がいがあることが分かりにくいのですが、成長とともに不器用さがはっきりすることが特徴です。

Bさんの場合

友だちと話しているときに、自分のことばかり話してしまって、相手の人にはっきりと「もう終わりにしてください」と言われないと、止まらないことがよくあります。周りの人から「相手の気持ちが分からない自分勝手でわがままな人」と言われてしまいます。しかし、興味のある電車のことになると専門家顔負けの知識をもっていて、友だちに感心されます。

*政府広報オンラインより

 

採用面接などの場合のコミュニケーションがとりにくいケースが多く、雇用に結びつきにくいことがあります。職場での瞬時に対応する力、臨機応変に答える力、即時応答する力などが求められる中、思っていること、感じていることが言葉にまとまらず、失敗経験を重ねる方もいらっしゃいます。

一方、雇用をする企業の側から、ルール通りに働いてくれる、ほかの企業や職場をうらやましいと思うことなく実直に働いてくれるなど、真面目で誠実な姿勢でのプラス評価があります。また、人が見逃しがちな細かいところに気づいたり、ほかの人が面倒に思いがちな部分でも、しっかりと抜けもれなく行える特徴を持っている人が多いようです。

職場で必要な ”コミュニケーション” ができるかを企業の職場環境を想定した施設などで繰り返し取り組み、
仕事にふさわしい対人力を高めていくことで、着実に成長をしていかれる方がたくさんいらっしゃいます。