RETRIEVE HOUSEのスタッフは、利用者様へのサービス向上、就職や定着を目的として年に数冊の必読書が与えられます。今回はその一つである「授業の腕を上げる法則」を紹介いたします。パソコン講座やコミュニケーション講座を開催する講師としての必須の書です。

目次紹介
第一章 授業の原則
第二章 教師の技量
第三章 授業の腕を上げる法則
第四章 新しい教育文化の創造

第一章の授業の原則は、10ヶ条の原則にまとめられており大変分かりやすいです。項目のみ紹介させていただきます。
第一条 趣意説明の原則
第二条 一時一事の原則
第三条 簡明の原則
第四条 全員の原則
第五条 所・時・物の原則
第六条 細分化の原則
第七条 空白禁止の原則
第八条 確認の原則
第九条 個別評定の原則
第十条 激励の原則
※第一条から第四条はスタッフ全員丸暗記しております。時々確認テストがあります。

スタッフ感想文

S氏
この本は、教師の方の為に書かれた本ですが、私たちが仕事する上で心掛けなければいけないことが多く書かれていました。
その中から私自身、特に大切であると感じたことが二つありました。
一つ目は、授業の原則10か条の第一条 趣意説明の原則です。
指示の意味を説明することが大切である。自分の行為の意味を理解していてこそ、「考え」も「精神」も安定できる。「何が何だか分からないけどやる」という状態は「考え」も「精神」も不安定である。
リトハウス長堀橋では、日常の挨拶にはじまり、ビジネス講座の時など、それがどのような場面で必要なことなのか具体的に語られています。
それが利用者の方の就職につながるだけではなく、心の安定にもつながっているということがわかりました。
二つ目は、伸びる人の特徴としての「素直」であるということです。「素直」な人にはまわりの人がいろいろと言ってくれる。他人の尊い経験が流れ込んでくる。
私自身、まだまだできていないことが多く十分な仕事ができていませんが、素直な心をもって仕事に取り組み、周りの方々の良い所を吸収し成長したいと思います。

O氏
授業の原則10カ条 人を指導する上で常に意識しなければいけないと感じた。

指示の意味を説明せよ。
一時に一事を指示せよ。
発問・指示は短く限定して述べよ。
指示は全員にせよ。
子供を活動させるためには、場所と時間と物を与えよ。
指導内容を細分化せよ。
たとえ一人の子供でも空白の時間を作るな。
指導の途中で何度か達成率の確認をせよ。
誰が良くて誰が悪いのかを評定せよ。
常にはげまし続けよ。

何度も読み返し、自分の仕事のあるべき姿を描くことができた気がした。
特に印象に残ったのは、第3条で「一時に一事の指示を与える」ということの説明に

  1. 一時に一事の指示を与えよ。
  2. 指示を与える時は全員を三メートル以内に集めてから言え。
  3. 指示を与える時は、子供の目の高さで言え。
  4. 指示を短くせよ。できたら十五秒以内で言え。
  5. 状態を説明する指示ではなく、イメージを与える説明を付け加えよ。
  6. 子供がやったことには短く評価を与えよ。

定石を知り、組み合わせを使うことで格段に上達した指導ができると感じた。
この本を読み、わかったつもりでいるのではなく、実際に活用していくことを肝に命じなければならないと思った。

M氏
一人ひとりの苦手分野を細かくチェックしてできるようになるまで指導する事、一人ぼっちを作らないために休み時間何していたか一人一人確認をとる事、家では何をしていたかどんな番組を観たか集計をとり、忘れ物をしたらただ叱るのではなく解決策を一緒に考える等、学校の先生ってここまで見てくれるものなのと読んでいてただただ驚きました。
私の小中学生時代の記憶ではこのような先生は居ませんでした。私も勉強が苦手でどんどん進んでいき遅れていくばかりで、その頃は勉強の楽しさや目的が分かりませんでした。
小学五年生の女の子の跳び箱を飛べた時の詩がとても印象に残り感動しました。
先生が一生懸命熱意をもって一人一人と向き合い、生徒にも私にも出来るんだという成功体験を積ませることによって勉強の楽しさや目的が分かってくるのかなと思いました。
本を読みなさいと色んな人に言われますが、本書でも本の大切さが書かれており、本を読むのが苦手な私に痛感させられました。本を読むことに少しづつ慣れて習慣にしていきたいと思います。
成長は自分がだめだと自覚した時から始まるという言葉にも勇気づけられました。私も常日頃ダメだとばかり思ってしまうので、それは成長するチャンスだと思ってこれから勉強していきたいと思います。

I氏
“教える”ことに真剣に向き合った者なら、第1章『授業の原則』の第一条「趣意説明の原則」から第十条「激励の原則」までを読んで、
「こう組み立てればよかったのか、もっと早く聞きたかった!」という強い衝撃や
「いやあ、なるほど、確かにそうだ」という深い同意などを覚えたことと思います。
これまで、学校以外でもさまざまな “教える” “説明する” という場面で、
素晴らしい講師に巡り合ったことがある一方、数多くのお粗末な伝達者にも出会いました。
事業所で働くようになるとそれまで以上に、説明下手で、相手が理解できていないのにそれに気づかず自己満足に浸っていたり、
気づかないのは相手(利用者さん)に理解力や聞く姿勢がないからだと人のせいにする姿に数多く触れました。
そしてそれらの人は、この著書で表現されている “伸びない教師(指導者)”の伸びない理由、相手を(全員を)何とかしようという思いに欠けている、仕事の責任を回避し相手のせいにするという要素を見事に共通して持っていると改めて実感しました。
現状に満足せず常に自分を振り返り、より多くの人にわかりやすく指導することを追及する姿勢を強く持ち続け、「十の原則」に照らし合わせて指導を組み立てるよう具体的に実行に移したいと思います。
教育に本気で向き合った、情熱が詰まった名著だと思いました。

 

スタッフの感想文を一部紹介させていただきました。

この「授業の腕を上げる法則」は30年以上も前に書かれた本です。2015年に新書版が出版されるなど、時代が変わっても通用する普遍的な内容の本です。Amazonのレビューでも非常に高い評価を得ています。RETRIEVE HOUSEの各施設を利用される利用者様の為に、この本の内容を日常のパソコン指導やコミュニケーション講座にしっかりと活かしていきたいと考えております。